子育て!PT・STのブログ

発達に悩みがあるお子さん、その親御さんに向けたブログです。医療、保育の専門職としての視点から書いています!

尽きない食事の悩み…ズバッと解決!

こんにちは!

 

理学療法士、保育士のゴンです!

 

 

今回は食事の悩みについて考えていきたいと思います。

 

というのも、子どもの食事に関する悩みを持つ親御さん、多いですよね?

 

保育園にも「食べるのが遅いんです」とか、「ごはん(米)ばっかり食べてるんです」といった相談をされる方がよくいらっしゃいます。

 

数か月後には改善してきて「杞憂だったな・・・。良かった。」と思うことがほとんどかもしれません。

 

それでも食事に関して悩みを持つ親御さんが多いのは、食事の重要性を理解している、もしくは感覚的に感じているからではないでしょうか。

 

そんな「食事」について、発達障害の子に多い悩みや、改善方法などを考えていきます。

 

 

【よくある悩み】

食べてくれない

 

食べてくれないというのは1番困ると思います。

 

栄養バランス以前に、摂取カロリーが少なすぎれば、成長期の子どもの発達に影響します。

 

 

大人は、メリットやデメリットを考え、食べることを選択できます。

 

子どもはそうはいきません。

 

子どもの場合

楽しい、興味がある→する

といったシンプルな思考をしています。

 

なので、食事の場も楽しくないと食べようとしてくれないことがあります。

 

まず、大人が楽しそうに食べるとか、好きな音楽がかかっているとか、お気に入りのエプロンをつけるとか…。

 

子どもが楽しめる食事環境を作ることが重要です。

 

親御さんにとってもストレスのかかる場面ですが、心と時間に余裕を持って食事する時を作ってみましょう。

 

余裕を持った食事なんて1日1回くらいしか出来ません。1回でもいいと思います。

 

ですが、食への興味が薄い子もいるので、怒ったりはしないようにしましょう。

 

 

 

食べるのが遅い

 

食べてくれるけど遅い。

 

結構多いと思います。

 

ふざけて遊ぶ子などには、前述の『食べてくれない』と同様、楽しい環境作りも大切です。

 

ですが、少し違うかもしれないこともあります。

 

それは、身体機能的に早く(普通に)食べられない子もいるからです。

 

例えば

・取り込む、噛む、送りこむ力が弱い《口腔機能の未熟さ》

・座っているのが大変《体幹筋力の低さ》

がある子などです。

 

《口腔機能》

食べこぼしが多い、口の使い方が全然上手にならないなどがあれば、1度じっくり観察してもいいかもしれません。

 

 

[一般的な口腔機能の発達]

お子さんがどの段階か、以下を参考にしてみてください。

 

1 原始反射による哺乳  〜4ヵ月頃


2 原始反射がだんだんなくなる  5〜7ヵ月

 

3 唇をしっかり閉じて食物を取り込めるようになる ・スプーンを目で追い、上唇を閉じて取り込む ・唇をしっかり閉じて飲み込む  6ヵ月

 

4 豆腐程度の固さのものを舌で口蓋に押し付けつぶして飲み込む  7ヵ月

 

5 バナナ程度の固さのものを片方の歯ぐきに移動して噛む 9ヵ月

 

6 舌で口の中の食物を自由に動かせるようになる 10ヵ月

 

7 手づかみ食べ  11ヵ月

 

8 第1乳臼歯が生える・離乳完了期   12〜15〜18ヵ月

 

9 第2乳臼歯が生える     22〜36ヵ月

 

口腔機能が未熟な場合、「硬いもの食べさせて練習しよう!」は間違いです。

 

むしろ、今より小さい時の食事の柔らかさにしてあげる必要があるかもしれません(2歳児だけど前食べてた5倍粥にしよう、など)。

 

 

 

 

 

好き嫌いが多い

 

好き嫌いが多い子、いますよね。

多いと思います。

 

白米しか食べない、お菓子ばっかり食べてる、野菜を食べない…など、「このまま大人になって大丈夫か?!」と思ってしまいますよね。

 

不安にはなってしまうんですが、思うところは2つです。

 

 

①最低限のカロリーが摂れていればいい。

②味覚や思考の変化によって変わっていくこともある。

 

 

①は文章のままで、活動に必要なカロリーを摂れていれば生きていける、という意味です。

 

もちろん、「野菜を食べなければ食物繊維やビタミン類が不足するじゃない!」という栄養面の問題はあります。バランス良く食べるに越したことはありません。

 

ですが、意外となんとかなるものです。

 

必要に応じて栄養補助食品(ジュースなどを含む)で補ったり、もはや便秘であることを受け入れたりなどもあるかもしれません。

 

よほど困れば子どもだって必要性を認識し変わっていくかもしれません。

(知的障害が重い子はサポートが必要な場合もあります)

 

 

②もそのままで、味覚は段々と変化していくものです。

 

ゴンもナスやキノコが苦手でしたが、少量なら食べられるようになりました(20年以上かかって)。

 

また、「キノコを食べるとメリットがある」 と思い、苦手なキノコを食べる人もいるでしょう。

「キノコまずい!いらない!」から「キノコは体にいい。少しでも食べよう。」に思考が変わったんですね。

 

 

親御さんからすると非常に不安なことですが、野菜を食べないと生きていけないわけではないですよね?

 

料理で工夫して、自分たち(親)も美味しそうに食べて…と努力してもダメなら無理しなくても良いと思います。

 

「野菜も食べなさい!野菜食べなきゃハンバーグあげません!」なんて怒ってしまい、食事の場がつまらないものになってしまうことの方がマイナスだと思います。

 

 

 

今回は、よくある食事の悩みについて考えてみました。

 

「うちの子食べすぎて困る!」というのを入れ忘れましたが、それは親御さんの匙加減次第かなと思い入れませんでした(笑)。

 

とにかく、最低限のカロリーを摂取していれば良いと思います。

 

それが確保できない場合には、医療機関(小児科や療育機関など)に相談してみましょう。まずは役所に問い合わせですね。

 

楽しく食べよう!笑

 

では、また!