ダウン症の子の食事について!
こんにちは!
言語聴覚士のちぃです♪
今回はダウン症のお子さんの食べる機能についてお話していきます🍴
以前、ダウン症のお子さんの特徴のとして筋力の弱さや低緊張を挙げていたかと思います。
これは歩行といった動作に影響を与えるだけでなく、お食事にも関係してきます。
なぜなら、食べる為にも筋肉を使っているからです💪
ダウン症のお子さんの食べる機能の特徴としてよく挙げられるのは、その筋力の弱さからくる問題点が多いです。
特によくみられるのは、
👄口を開けたまま(舌が出たまま)食べている👅
です。
口を開けたまま食べるとどんなことが問題になるのか?
以下に説明します。
<口を閉じずに食べることによる問題点>
①上手に飲み込めない
舌が出たままだとしっかりと圧を作って飲み込むことができません。
みなさん、唾液を飲み込んでみてください。
飲み込む時、舌の位置はどこにありましたか?
多分、ほとんどの方は舌が口腔内の上顎についていたと思います。
ここに舌を押し付けることでしっかりと圧を作り、飲み込んでいるのです。
もし舌が出たままだと、充分な圧はつくれません。
ちなみにですが、赤ちゃんの飲み込み方と大人の飲み込み方が違うのはご存知でしょうか?
この舌を出したまま飲み込むやり方は、赤ちゃんが哺乳瓶🍼を飲むのと似た飲み込み方なんです。
②上手に食べ物を処理できない
舌を出し入れするような処理の仕方はいわゆる粒のないペースト食(離乳初期~前期食)を食べる時に行う処理の仕方です。
次の食形態(中期食)を食べるためには、この舌を前後させる動きから舌を上下させ押しつぶす動きが必要になってきます。
その為に必要なのが「口を閉じること」なんです。口を閉じることで舌は挙がりやすくなります。
この動きが獲得されると次は舌を左右に動かし歯に食べ物を送る動き、咀嚼へと繋がっていきます。
発達を待ちきれずにお口の機能と合わない上の形態の食事を食べさせてしまうと起こるのが
③丸呑み
ダウン症のお子さんはこの初期食~中期食の口の動きの期間が長い子が多いです。
発達を待ちきれずにお口の機能と合わない上の形態の食事を食べさせてしまうと起こるのが丸呑みです。
丸呑みは窒息の恐れがあります⚠️
若いうちはパワーでなんとか飲み込めますが、歳をとってくると筋力の低下により飲み込む力は弱まり、窒息のリスクが高くなります⚠️⚠️
大きくなって矯正するのはなかなか難しいです!
小さい頃から丸呑みの癖を付けないことはとてもとても大切です!!!
また、丸呑みは肥満の要因の一つでもあります!
低緊張で太りやすい体質のダウン症のお子さんにとって、リスクは少しでも減らしておきたいですよね!
では、口を閉じて食べるようにするにはどうすれば良いのでしょうか?
色々ありますがよく行っている練習法をいくつかご紹介致します。
<練習方法>
①口唇閉鎖介助
お子さんが食べてる時や飲み込む時に口を閉じるよう、大人が指でしっかり閉じてあげます。
この介助方法は初期食レベルのお子さんから使えます。
気をつけなければいけないのは、食べている(処理してる)時に閉鎖介助を行うと動きが止まってしまうお子さんもいらっしゃいます。
そういう時には飲み込む時だけ閉鎖介助をしてあげて下さい。
また、触られると嫌がる「過敏」をお持ちのお子さんもいらっしゃいます。
そのような場合にはまず過敏を取り除く「脱感作」が必要です。
体の外側から中心部に向かってしっかりと感覚を入れるようにギュッと触っていきます。
ギュッとしっかり触って、嫌がっても離さないで、落ち着いたら手を離す、を繰り返して下さい。
外側から内側がよく分からないという方は、足→手→肩→頬→下唇→上唇の順で触ってみてください。
サワサワと触るだけでは嫌な感覚が残ってしまいますので気をつけてくださいね!
②介助の時上唇が降りてくるまで待つ
スプーンを口の中に入れたら、お子さんが自発的に閉じるまで引き抜くのを待つ介助方法です。
取り込む時に閉じると、自然とその後口を閉じたまま処理をすることができたりします。
口をパクッと閉じる経験を積んでいくのも大切です。
③かじり取りをする
バナナや煮たスティック状の野菜(歯茎で押しつぶせる程度)でかじりとりをしてもらいます。
これが結構効くんです笑
歯だけではなくしっかりと上唇を降ろしてあむっとかじり取れるのが理想です✨
もし上唇が降りてこないのであれば、過敏がある可能性がありますので、先程の「脱感作」をしてみて下さい!
<まとめ>
今回は上記👆3つをご紹介しました。
まだまだありますが、大事なことは「発達機能にあった食事」です。
これを無視することで望ましくない食べ方になり、後々また別の問題を引き起こす要因になってしまう可能性があります…
そしてもう1つ大切なこと、身体がしっかりと安定することです。
首から上を支える為の土台(身体)がしっかりしていなければ、口や舌を上手に動かすことは難しいです。
歩行訓練や座位訓練なども食べる機能にとっては必要不可欠なんです。
お食事について心配なことがあれば些細なことでも構わないので、一度専門機関に相談するのもひとつです!
それでは今回はこの辺で…🧸