ダウン症の子への言語訓練!どんなことするの?
こんにちは、言語聴覚士のちぃです♪
今回はダウン症のお子さんと言語訓練でどんなことをしていたのか、簡単にお話ししていきたいと思います!
結論から言うと...
基本的には他の発達障害のお子さんとやっていることは変わらないです!
言葉の発達段階に沿った声掛けをして、喋ることへの興味を引き出してあげます。
言語発達については以前の記事に書いてあるので、こちらもお時間があれば併せてご参照ください👇
大まかにどんな訓練をやっていたのか、お子さんの発達段階ごとに簡単にお話ししたいと思います😄
◇発語未獲得◇
おもちゃや手遊び歌などを通して、
・一緒に遊びながら相手を意識すること
・物の因果関係を学ぶこと
・身近な物の名前を理解すること
の手助けを目的に関わっていきます。
例えば…
🐤「あたまかたひざぽん」をゆっくり歌いながらその部分を一緒に触る。
🐤ボタンを押すと光るおもちゃで一緒に遊びながら、「押すよ~」「光ったね!」「せ~の」など声掛けをする。
◇発声~単語◇
物の名前をサインと言葉とを用いながら学んでいくことを目的に関わっています
例えば…
🐤ままごと遊びの時に「りんご」と言葉とサインで見せてから渡す。
🐤ネコをじっと見ていたら「にゃんにゃん」と言いながらサインを見せ、子どもの手を取って同じ動作をやってみる。
◇単語以上◇
語彙を広げ、語連鎖へと繋げていくことを目的に関わっています。
例えば...
🐤ままごと遊びで「りんご 食べる」「バナナ 美味しい」などサインと言葉を用いて話す。
🐤絵カードを見せて「大きい ぼうし」「くまさん 泣いてる」…などサインと共に言葉かけする。
◇まとめ◇
一部になりますが、こんなことをやっていました!
あえて特徴として挙げるのであれば、サイン👐を用いた訓練をほとんど必ずと言っていいほど行っています!
サインを用いる理由は、耳で聞いた情報よりも目で見た情報の方が処理しやすいからです(視覚優位と言います)。
ダウン症の特徴として、”耳で聞いた情報を覚えておくのが苦手”というものがあります。
例えば、「うさぎ」と言うと「ぎ!」と返すお子さんがよくいます。
これは、「う」「さ」「ぎ」の3文字を聞いて覚えるのが難しく、最後の「ぎ」の音だけを覚えられたため、唯一覚えた「ぎ!」だけを真似して言っていると考えられます🐰
このように聞いて覚えておける言葉(音)の数が少ないと、なかなか発語に繋がりにくいです。
そこで簡単に真似しやすいサインが登場するのです☝️
例えばうさぎ🐰のサイン
“頭の上に両手を持ってきてうさぎの耳を作る”
は誰もが知っているサインのひとつです👐
うさぎを見る度、お子さんに「うさぎ」と言いながらサインを見せてあげてください。
「うさぎ」の3文字を覚えるよりもサインの方が覚えやすく真似しやすいので、使ってくれる頻度が増えるかもしれません☺️
サインの良いところのもうひとつは、発音が苦手なダウン症のお子さんでも分かりやすく伝えられるというところです。
ダウン症の方はベロが大きかったり顎が小さかったりと、体の形態的にも発音が苦手な子が多いです。
サインなら発音関係なく相手に伝えることができ、聞く方も理解しやすいです🙆♀️
じゃあどんなサインをすればいいの?🤔
私たち療育に携わる人間はよく「マカトン」と言われるサインの講習を受けて使っています。
興味がある方は「マカトン協会」があるので調べてみてください!
でも私個人的にはサインに「こうしなきゃ!」「あーしなきゃ💦」というのはないと思っています。
まずは、お子さんとご家族の間で使いやすいサインを使い、コミュニケーションを取っていくことの方が大切だと思うからです😌
言葉の発達の為にとても大切なこと、それは
「伝わる楽しさ」
を教えてあげることです。
まずはサインでも良いので、相手に言いたいことを伝えられたという経験をいっぱい作ってください!
コミュニケーションを楽しみましょう!
それでは、今回はこの辺で✂︎