ダウン症の方に起こりうる二次障害とは?
今はとっても元気だけど、大きくなったらこの子も悩みを抱えるのかなぁ…
将来生じうる問題を早めに知って、未然に防いであげたいな…
そんなことを思う親御さん、多いのではないでしょうか。
こんにちは!
理学療法士、保育士のゴンです!
今回のテーマはダウン症の二次障害についてです!
今後起こるかもしれない問題を先に知ることで、お子さんが過ごしやすい環境を作ってあげられると素敵ですね♪
それでは早速始めます!!
そもそも二次障害って?
『二次障害の“二次”って何?』という方も多いと思うので確認です。
一次障害、つまりもともとの障害(ダウン症や発達障がいなど)を原因とし、周囲の人から怒られたり何度も注意されたりなどの経験をすることで起こる障害のことを“二次障害”といいます。
自己肯定感の低下によって起こる障害をいうことが多く、代表的なものとしてうつ病をはじめとした精神症状や、頭痛、食欲不振などの身体症状が挙げられています。
代表的なものと対応策
ここでは、上記のような精神症状に加え、日常生活を送る上での困りごとについても考えていきます。
<哺乳不良>
哺乳不良とは、簡単にいうと母乳を飲むのが苦手ということです。
ダウン症のお子さんは筋肉の低緊張などの要因のため、乳首を吸う力が弱いことがあります。
「割と長い時間飲んでるし、だいぶ飲めたかな?」
と思っても意外と飲めていないこともあるようです。
どうしたらいいの?
哺乳瓶であげることが対応策として考えられます。
穴の大きめな哺乳瓶にしてあげると、弱い力でもたくさん飲めるようになります。
ミルクでもいいし、母乳がいい場合には搾乳をしてあげるといいかもしれません。
<首がなかなか座らない>
定型発達では4ヶ月ごろに首が座るとされていますが、ダウン症のお子さんはやや遅いことがあります。
生後半年経ってもグラグラしている、というお子さんにも出会ったことがあります。
なお、首の座り(定頸)は引き起こし反射などで判定しますが、むやみにやると首を痛める可能性もあるので、気になる場合は専門家に相談しましょう。
どうしたらいいの?
こちら↓の記事でも紹介したのですが、モビールやオーボールなどは有用だと思います。
kosodateptst.hatenablog.com
要は子どもの「見たい!」を刺激してあげることが大切です。
物を見たいと思えば頑張って首を動かそうとするので、そうして動かしているうちに首の筋肉が発達していって定頸につながります。
大人が無理して首を動かそうとするのではなく、子どもが「あちこち見たいな」と思う環境を作ってあげられると良いですね♪
<肥満>
ダウン症の方はよく太りやすいと言われます。
理由は3つあります。
①丸呑みしやすい
舌が大きい、口の中の体積が小さい、口周りの力が弱いなどが原因となり、咀嚼が少なく丸呑みになりやすい方が多いようです。
どうしたらいいの?
こちらの記事でも紹介していますが、小さな頃から丸呑みをしないための練習をしておくことが大切です。
唇を閉じて食べる練習やかじり取りなど、継続的に練習していきましょう!
②偏食
食へのこだわりが強く、特定のものを多く食べすぎることがあるようです。
現場では「白米が大好きなんですよ」という声を聞くことも多いです。
どうしたらいいの?
誰しも多少の好き嫌いはありますが、バランスの取れた食事を心がけられといいかと思います。
家族がいろいろな食材を食べているところを見せてあげるのも大切と言われているので、家族みんなで取り組んでいけるといいですね♪
③運動不足
これは全身的な低緊張により疲れやすいということも影響しています。
体幹やお尻の筋力が低かったり扁平足があったりすることは、運動面で見ると有利ではありません。
日常生活での立ち歩きの量まで減ってしまうと、筋肉の量も減りやすく代謝も落ちやすくなってしまうでしょう。
どうしたらいいの?
小さな頃から運動習慣を獲得しておくことや、スポーツなどへの興味関心を養っておくこと、定期的なリハビリの利用などが大切かと思います。
また、家では家事を手伝ってもらうなど、日常生活の中での運動量アップも考えていけるとさらにいいですね♪
疲れやすいなど、身体的な特徴を理解しつつ運動を促せると最高です!
<こだわり>
ダウン症の方は、歳を重ねるごとにこだわりが強くなるというデータがあります。
・物の配置や道順など視空間に関わるもの
・日課や時間などに関わるもの
・知らないものを拒絶する
など、さまざまな点においてこだわりを持つことがあります。
こだわり自体が悪いわけではないのですが、
・回り道になってしまうけど「この道しか通りたくない!」
・急いでいるのに「お茶を一杯飲まないと外出たくない!」
などと言われると生活を共にする人にとっては困りになり得ますよね。
また、こだわりが強いために興味関心が広がりにくく、他人と共有できる趣味が少なくなる可能性もあります。
興味の狭さはこの後触れる“うつ”にも多少影響をすると思います。
どうしたらいいの?
小さな時の方がこだわりは弱いというデータもあるので、小さいうちに色々と経験できるといいですね。
こだわりが強くなる前にスポーツや芸術、屋外活動など、趣味に繋がりそうな体験ができたら素晴らしいです。
それに、例えば小さい時にボールに興味を持たなかったとしても、大きくなった時に「なんだよこれ、見たことないな。」よりも「ああ、小さい頃見たことあるな。やってみようかな。」となった方が抵抗もなくなると思います。
その時は遊ばなくても色んなおもちゃに触れておく、色んな場所に連れて行く、様々なものを見せるなどできたら最高かと思います!
<うつ、適応障害など>
思春期や青年期以降、笑顔が減った、あまり話さなくなったなどの変化を見せる方がいるようです。
学校や職場など、生活環境の変化により生じるケースもあるでしょう。
ダウン症の方は真面目だったち几帳面だったりする方が多いと言われており、このような性格の方は精神疾患になりやすいというデータもあります。
どうしたらいいの?
家族ができることを2つ紹介します。
①うつ病への理解を深める
うつ病とはどういった病気なのか、どんな症状が起こりうるのか、正しい知識を身につけることが大切です。
専門医を受診した時など、お医者さんに聞いてみるのもいいかもしれないですね。
②受容的に接する
例え変なことを言っていると思っても「うんうん、そうだったんだね。」と受け止めてあげましょう。
あまり意見したりせず、寄り添ってあげることが重要です。
うつ病は早期に対処することが重要と言われており、うつ病になりにくい生活を送ることも大切です。
適度な運動や規則正しい食生活、十分な睡眠、日光浴(外出)などを心がけられるといいですね。
それに加え、趣味などストレス発散の方法があることや、職場や学校以外にも趣味の友達がいるなどコミュニティを複数持つこともうつ予防には効果的だと思います。
まとめ
体のことから心のことまで、少し広めにまとめてみました。
対応策の中で“小さい頃から”といった言い回しをしましたが、大きくなってからも受容的に接したりたくさん褒めたりなどできることはたくさんあります。
20代以降は大変なことも出てくると思うので、専門機関を頼りながら対処できるといいですね♪
楽しく元気に暮らせるおよう、みんなで無理せず頑張っていきましょう!
それでは、また!