子育て!PT・STのブログ

発達に悩みがあるお子さん、その親御さんに向けたブログです。医療、保育の専門職としての視点から書いています!

ダウン症の子の就学事情

ダウン症の子が行く学校ってどこがいいんだろ…?

 

そもそも学校って何種類くらいあったっけ?

 

 

このような疑問解決します!!

 

 

こんにちは!

 

理学療法士、保育士のゴンです!

 

今回はダウン症のお子さんの就学先について見ていきたいと思います。

 

どんな学校に行く子が多いのか、その学校の特徴について考えていきます!

 

 

 

就学先の割合

早速、ダウン症のお子さんの就学状況を見ていきましょう。

 

幼児期

2011年のある研究では、96%のお子さんが保育園や幼稚園に通っており、70%以上は療育にも通っています。

 

保育所が45.7%、幼稚園が41.9%、複数通っている子が8.1%いたとのことです。

 

 

小学校

どの団体でデータを取るかによって差があるので、参考までに2つのデータをご紹介します。

 

○2011年の論文データ

 

通所訓練施設とクリニックに通っている子にアンケートをとったデータです。

<入学時>

まず、就学猶予(学校に通わないことを認められること)をした子が3.8%います。

あとは、

通常学級:44.6%

特別支援学級:41.8%

特別支援学校:13.6%

となっています。

 

<6年次>

最終学年になると

通常学級:32.0%

特別支援学級:51.1%

特別支援学校:16.3%

になります。

 

入学時は通常学級と特別支援学校がそれぞれ40%以上を占め、特別支援学校は7人に1人程度となっています。

6年生になると通常学級に通う子が減り、その分特別支援学級や特別支援学校が増えていますね。

 

 

○日本ダウン症協会のデータ

 

こちらのデータでは、

2018年

通常学級:4%

特別支援学級:44%

特別支援学校:52%

 

2020年

通常学級:5.2%

特別支援学級:61.4%

特別支援学校:33.3%

 

 

先ほどの2011年のデータとは大きく違い、通常学級は5%前後、残りを特別支援学級と特別支援学校で二分する形となっています。

 

アンケート先やその年によっての変化量も多いので、一概にどこが多いとは言えない結果となりました。

 

 

 

中学校

ここから先は2011年のデータになります。

 

中学生になると、

 

・通常学校:11.2%

特別支援学級:53.8%

・特別支援学校:34.3%

 

となっています。

 

小学6年次と比べると、通常学級が20%ほど減り、その分の20%程特別支援学校が増えるということになっています。

 

 

 

高校

高校になると、

 

・通常学級:3.0%

・特別支援学校:91.0%

定時制:2.2%

 

となります。

 

9割以上が特別支援学校に通い、中には定時制に通う方もいるようです。

 

 

【進研ゼミ高校講座】

 

学齢期全体の傾向

小学校入学時には44.6%のお子さんが通常学級に通っているというデータがあるところから、高校になると3.0%になるということで、通常級は学年が上がることに減っていくことがわかります。

 

逆に、特別支援学校の割合は学年が上がるごとに増えていきます。

 

特別支援学校→特別支援学級特別支援学級→通常学級に変更する子もいますが少数派であり、大体は通常学級→特別支援学級特別支援学級→特別支援学校に変更していくお子さんが多いようです。

 

中学校入学時が一番変更が多くなっており、通常学級→特別支援学級に変更するお子さんが多いです。

 

一方、高校に入ってから通い先が変更になるお子さんはほとんどいないようです。

 

 

 

 

各就学先の特徴

以前、こちらの↓記事でも紹介しましたが、今回はわかりやすく表にしたいと思います。

kosodateptst.hatenablog.com

 

 

ざざっと特徴をまとめるとこのようになります。

 

自立活動とは?(過去記事より)

“自立活動”を略してよく自活と言い、特別支援教室や特別支援学校では必須の活動となっています。

 

内容として以下の6つがあります

・健康の保持

心理的な安定

・人間関係の形成

・環境の把握

・身体の動き

・コミュニケーション

 

文字の読み書きやお金の計算、コミュニケーションボードを使った会話の練習など、個別性の高い活動が行われます。

 

友達と一緒に遊ぶ中でコミュニケーションの練習をするなど、さまざまな活動を行うことがあります。

 

 

 

選び方

まず、どのクラス、学校に行くか最終的に決めるのはお子さんと保護者です。

 

この検査が○点だったからここにしか行けない、といったことはありません。

 

 

就学相談

そんな悩ましい状況の中、通い先を決める上でしておいた方がいいことがあります。

 

それは就学相談です。

 

先ほど紹介した記事にも書きましたが、就学相談の過程の中で情報を集めたり行動観察をしたりすることが、どこが合っているか見極める上で大切です。

 

特別支援学級の種類や通級(今回触れていません)、支援員など、地域によって制度やルールに細かい違いがある場合もあるので、就学相談でしっかりと情報を集めておくのが重要となります。

 

あとは、学校見学や進学先に通っている先輩の話を聞くのも参考になるでしょう。

 

 

通いやすさ

通常学級や特別支援学級にはありませんが、特別支援学校には送迎がある場合があります。

 

保護者が通学に付き添う必要があるか、登校班などの有無、経路の安全性・近さなど、通いやすさも視野に入れる必要があります。

 

小学1年生や低学年の時は親が付き添って登校することも多いようですので、仕事や家事の調整も必要になるかもしれません。

 

 

身辺自立

靴の脱ぎ履きや着替え、トイレ、荷物の整理などが自分でできるかも大きなポイントです。

 

もちろん、通っていくうちに友達が手伝ってくれるなども考えられますが、基本的には自分でできないと通常学級での生活には困りが出てきます。

 

また、大前提として、45分の授業中イスに座っていられる必要があります。

 

クッションを工夫したくらいでは運動機能的に座っていられない、落ち着きがなく座っていることに耐えられないという場合は通常学級は難しさがあるかもしれません。

 

個別のサポートが必要な場合には特別支援学級や特別支援学校を視野に入れてもいいかもしれません。

 

 

 

 

 

 

まとめ

いかがでしたか?

 

データによってばらつきはあるものの、なんとなくのイメージがついていたら嬉しいです。

 

まあ、データはあくまでデータなので、お子さんに無理がない範囲で選んであげられたらいいと思います。

 

ここでいう“無理”とは例えば、着替えもトイレも1人ではできないのに通常学級に行き、体育の時間やトイレ休憩のたびに失敗体験をして自己肯定感が下がり、だんだん学校に行きたくなくなる…のようなことです。

 

楽しく通い続けられるか、といった視点で学校選びをしてみるのもいいかもしれませんね。

 

 

それでは、また!