こだわりへの【攻略法】!
「このぬいぐるみがないとお出かけできない」
「好きなおもちゃは電車のみ…」
他者には理解されず、いろんな面で困りを産む『こだわり』。
どう対処したらいいのー?!?!
こんにちは!
理学療法士、保育士のゴンです!
今回は、お子さまの「こだわり」について。
生活にはなんの支障もないこだわりもあれば、「これがないと生活していけない」なんてこだわりもありますよね。
その子のこだわりの捉え方と対処法をザザーっと考えていきます!
よくある5つのこだわりを分析…スタート!
同じ服しか着たくない!
「もう寒くなってきたし、長袖着て欲しいけど…」
ママはそう思うけど、断固としてお気に入りの半袖しか着ない。
そんなお子さんもいらっしゃいます。
「この長袖の服かっこいいよ!」
「この服あったかくて気持ちよさそ〜」
なんて誘い文句ではなかなか着てくれませんよね。
この半袖の服が好き!という気持ちももちろんあるでしょうが、それだけではないと思われます。
感覚の過敏がある
過敏と一言に言っても、部位や触れたら嫌なものは一人ひとり違います。
手の甲や手首が特に嫌なら七分袖は着れるかもしれないし、肘に服が触れるのが嫌ならアームカバーはできるかもしれないし…色々な服やアイテムを試してみましょう。
受け入れられる感触、「この肌触りの服じゃないと!」というものがあるのなら、限りなく近い感触、材質のものを探してみましょう。
また、色々と試していく時に大切なポイントがあります。
それは“段階的に試していくこと”です。
例えば、半袖からいきなり長袖にするのではなく6分袖から始めて徐々に袖を長くしていくとか、お気に入りの服のサイズの大きいものを買って服が肘に触れるのに慣れていくなど。
場合によっては、寝る時の掛け布団がわりに長袖の服を体にかけて慣らしていく、そんなやり方をすることもあるくらいです。
どのような方法を取るにしてもお子さんの“受け入れられる感触を増やしていく”ことには変わりないので、ゆっくりと進めていかないと拒否されてしまいます。
急がず焦らずやっていきましょう。
そもそも暑がり
長袖を着ると暑い、もしくは暑く感じると言った場合もあるでしょう。
その場合はエアリズムの生地ような薄手の長袖などから慣らしていくといいかもしれません。
「長袖でもそんな暑くないなぁ」
「あったかくて気持ちいい」
と感じてもらえたらもう勝ちです。笑
小さな時の勘違いから固定観念を持っている場合もあるので、そこを切り崩していく作業になります。
周りの大人が「長袖だけど涼しいんだね」「寒い時は長袖って気持ちいいね」と言いながら試していけるといいかもしれません。
ミニカーだけで遊びたい!
特定おもちゃでしか遊べないお子さんも多くいます。
特に電車や車のおもちゃは多い印象があります。
ミニカーが好きすぎる!
これ自体は何も悪いことではありませんが、お子さんにとって遊びは学びでもあるため、遊び方が固定されてしまうと学びが広がっていきません。
「おままごとで食べ物や人とのやりとりに興味を持って欲しいなぁ」
「お絵描きとかして、物をよく見る経験をして欲しい…」
こんなことを期待される親御さんも多いですよね。
興味の広げ方はいくつかありますが、関連しているもので徐々に広げていくのが無理なく行えると思います。
例えば、マップのシートの上をミニカーで走ることで「あ、ここパン屋さんだね!何食べたい?」と聞いたり、「ここは遊園地だ!観覧車乗りたいね!」と言うなど、ミニカーを使った上で遊びに幅を持たせることもできます。
あとは擬人化です。
「車さんは何食べたいですか?りんごどうぞ」のようにミニカーを人に見立てておままごとに移行していくこともできます。
他には、機能が近いもの、ミニカーの場合は飛行機や船などの乗り物に移していくというやり方もあります。
「見て!こっちの飛行機は飛んで行くから速いよ!」など、動きのある遊びで興味をひいてみましょう。
ミニカーであれば本物の車を見に行き、その道中で気になったものに興味を広げていくこともできるかもしれません。
「車も速いけど、電車も速いね!」とか、車の中で音楽を聴いて楽しむなど、やり方はいくらでもあります。
ミニカー以外の遊び方がわからない
こんな場合もあるかもしれません。
その場合は大人も一緒になっておもちゃで遊んであげましょう。
この時注意しなくてはならないのが、“説明書で書かれた遊び方でなくても認めてあげる”ことです。
例えば、ボールを入れると音が鳴るおもちゃがあるとします。
これを見ると大人は「ほら、ここにボール入れて」と言います。
ですがお子さんはボールを転がして遊んでいます。
この時「違うよ。ここに入れると音が鳴るんだよ。」と言うのをグッと堪えましょう。
“どんな遊び方してもいいんだよ”と言うスタンスで接し、手本を見せ、危なくないように見守る。
これが理想かと思います。
白米しか食べたくない!
これも結構よく聞きます。
「何かしら食べてりゃ大丈夫だよ」という方から
「栄養バランスが…!なんでも好き嫌いしないで食べないと!」という方まで、
人によって考え方や価値観に大きく差が出るところでもあります。
ゴン個人としては「栄養的には色々食べた方がいいし、食べられるものが多い方が人生楽しめるよ!」と思います笑
なるべく色んな食材を食べれるようになる工夫、考えてみましょう!
白米が食べやすくて楽!
上手に炊かれた白いごはんは、口の中でほぐれるのにまとまりやすく、噛んだり飲み込んだりするのがやりやすい食材でもあります。
・お肉は何度も噛まなくちゃいけない
・野菜は口の中で散らばってしまう
・フルーツは皮が残ってしまう
など、ほかの食材は意外と処理が大変なのです。
色んな味を感じたくない
味を感じるセンサー、味蕾。
実は、大人より子どもの方が多いって知っていましたか?
もちろん、「センサーが多いから味覚が鋭い」そんな単純な話ではないかもしれませんが、
「大人になってコーヒーが飲めるようになった」
「歳を重ねてきて苦手だったピーマンが好物になってきた」
ということもあるように、経験を重ねて色々な味に慣れたり、ある種鈍感になったりするのが味覚というものらしいです。
敏感な感覚を持ったお子さんが色々な味や食感を同時に味わうのを嫌がる、そんなこともあると思います。
それはもしかしたら、梅干しとケーキを同時に食べるような感覚かもしれません。
(ゴンは考えただけでゾワっとしてしまいます笑)
そう考えると、安心できる美味しさの“白米”のみを食べ続けたい、なんとなく分かる気がしてきませんか?
そんなお子さんに必要な配慮は味が混ざらないようにすることです。
ワンプレートにご飯、卵焼き、ウインナー、レタスを乗せたとします。
「そんなに味混ざったりしなくない?」と思うかもしれませんが、敏感なお子さんにとっては「ウインナーの脂がご飯につくなんてイヤ!」「レタスの水分がご飯についちゃった。食べたくない!」となっているのかもしれません。
ワンプレートは避け、別個のお皿に盛るのが大切かと思います。
それと同時に、三角食べをさせようとしないことも重要になってきます。
三角食べとは、おかずや主食(ご飯など)、汁物などをひと口〜数口ずつ行ったり来たりしながら食べることです。
これをすると前に食べたものの味が残った状態で次のものを口に入れるため、結構味が混ざって感じます(それがいい、美味しいと思う人も多いですが)。
三角食べでもばっかり食べでも、量さえとれていれば問題ないので、お子さんの好きなように食べさせてあげましょう。
勝つしかない!一番以外はヤダ!
スポーツの結果やプリントの終わった順など、なんでも一番じゃないと怒り出すお子さんがいます。
「そんなの何番でも関係ないじゃん…」と傍目には思うものですが本人たちは真剣です。
なぜ一番にこだわるのか、それは“分かりやすいから”であることが多いです。
「一番かそれ以外か」という結果は非常に分かりやすく、幼い子どもでも一目瞭然です。
その分かりやすい“一番”にしか価値を置いていないお子さんは、一番になれない時に怒ります。
なので、“一番になること”以外にも価値や楽しみがあることを感じてもらえるように促していくことが大切になります。
例えばお子様の集団に対して、
「あと10分の間で終わらせれば早くても遅くてもいいから、丁寧に文字を書いてね。」
とプリントの指示を出したり、
「当てても当てられても、最後まで頑張ってた子にご褒美シールあげるからね。」
と言ってドッジボールのモチベーションを引き出したりなどです。
分かりやすい結果だけでなく、途中の過程や態度などを認めて褒めるようにしてあげるとお子さんもだんだんと変わってくれると思います。
「順位以外にどんないいとこを見つけて褒めてあげようかな」と考えるのが大人の役割です。
褒めどころを探すのは結構難しいんですが、「一番に終える=早いのがいい」とこだわる子が多いので、丁寧さやルールを厳守しているかなどを見てあげるといいかもしれませんね。
スマホがなきゃ嫌!無理!
これはどんどん増えてきているような気がします。
小学校5〜6年生からスマホを持つ子が増えると言われ、令和元年には小学生の約50%、中学生の約75%が持っているとのことです(ゴンも親にせがんで小4の時に持たせてもらい、途中没収された記憶があります笑)。
防犯や学習に役立つといったメリットもありますが、自己抑制が低い幼少期にはゲームや動画試聴などをする時間が多くなることが想像されます。
デメリットを考えると、顔に近い位置で画面を見ていれば近視になるかもしれないし、見ている時間が長ければ目も疲れてしまいますよね。
それに加え、スマホ以外の楽しい経験をする時間や機会が減ってしまうという問題もあります。
スマホには楽しいコンテンツが多い分、依存しやすくもあります。
それは小中高生だけでなく幼児にも言えることで、ゴンは1歳代でスマホを自分で操作してYouTubeを見ているお子さんと関わったことがあります。
そのお子さんはベビーカーでの移動中にスマホがないと怒り出すことがありました。
もし充電がなくなったら、と考えると大変ですよね。
そんな依存状態にならないように、脱するためにできることは
・時間を区切って使うようにする
・他の楽しみを作る
などが一般的です。
21時以降はスマホに触らないなどとルール化できると、睡眠などへも好影響が出そうですね。
しかしこのようにルールを設ける場合には、大人もルールを守った方がいいかもしれません。
また、”○時までにスマホの電源切れたらチョコひとつ食べよう”などご褒美を設けることも有効な手段になりそうです。
他の楽しみは、「動画に出てきたボードゲームやってみようよ」「あのYouTuberが好きって言ってたおもちゃで遊んでみようよ」など、お子さんの興味のあるところから広げていけるといいと思います。
時間を区切る、他の楽しみを作るのには、大人がまずお手本を見せてあげることが大切かもしれませんね。
また、ちょっと変わった例でいくと、
”一日○時間以上スマホを使うように”と子どもに言うことで、スマホを使うことが義務となり、だんだんイヤになって使う頻度が減るといった話もあります。
お子さんとお家の環境などに合わせて、どんな方法が合うか試行錯誤していけるといいのかもしれませんね!
まとめ
いかがでしたか?
今回はゴンが思いついたよく見るこだわりについて考えてみました。
今回挙げた例にドンピシャで合えばそのまま試していただいてもいいですが、ちょっと違う場合も多いと思います。
ですが、
“その子に合ったペースとやり方で興味関心の幅を広げていく”
という考え方はどの例にも共通しています。
その子なりの感覚や価値観、趣向があることを認め、何が苦手なのか分析してあげられるといいのかなあと思います(簡単に言いましたが簡単ではないです😅)。
もし、「うちの子こんなこだわりがあって困ってるのよ!」ということがあったらコメントしてください!
一緒に考えましょう!
困りにつながるこだわりはなるべく低減して、楽しく生きていけるようにしていきたいですね♪
それでは、また!