子育て!PT・STのブログ

発達に悩みがあるお子さん、その親御さんに向けたブログです。医療、保育の専門職としての視点から書いています!

ダウン症の子にはどんなリハビリをするの?-PT編-

こんにちは!

 

理学療法士、保育士のゴンです!

 

今回はダウン症のお子さんに対してどのようなリハビリをするか書いていこうと思います。

 

なお、ゴンは理学療法士なので理学療法(PT)について話していきます。

 

 

 

問題点

 

以前のこの↓のブログでも書いたように、理学療法士(PT)のセラピーは評価から始まります。

 

kosodateptst.hatenablog.com

 

評価の中で問題点を挙げ、その問題点にアプローチをしていきます。

 

なので、身体面の問題点について初めに述べておきます。

 

 

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①全身的な低緊張

 

全身的に関わってくるのが筋肉の低緊張です。

 

分かりやすく言うと”筋肉が柔らかい”ということになります。

 

何が困るのか?

 

一言でいうと、姿勢が維持しにくくなります。

 

問題点として分析すると、

→ハイハイやお座り、立つといった姿勢を保つのが難しい

→運動の経験を積み重ねにくく、運動発達がゆっくりになる

となります。

 

 

②関節弛緩性

 

簡単に言うと”関節がゆるい”となり、靭帯などの影響によるものです。

 

低緊張と合わせて以下のような問題点があります。

 

扁平足や反張膝などが生じやすいです。

 

先ほど同様、問題点として分析します。

→扁平足(約60%)、反張膝(はんちょうしつ、はんちょうひざ)、環軸椎亜脱臼などを生じやすい

→扁平足と反張膝は歩行(特に坂道や階段)への不利に、環軸椎亜脱臼は運動制限(でんぐり返しはしない)などにつながります。

 

 

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治療

 

では、各問題点に対するセラピーを考えていきます。

 

 

<全身的な低緊張>

 

全身的な低緊張に対して行うセラピーはその子の発達段階によって様々です。

 

基本的には、今の発達段階の次に獲得しうる姿勢や運動を練習していきます。

 

具体的には、ずり這いが出来る子にはハイハイやお座りの練習をしますし、座れるけど歩けない子には立ったり歩いたりする練習をします。

 

ハイハイや歩行の時のポイントは介助量です。

 

介助とは手助けのことで、どのくらい体を支えるかと言うことです。

 

介助量が多すぎればお子さんのトレーニングになりにくいし、少なすぎればその動作自体が難しくなりお子さんも嫌になってしまいます。

 

この辺はセラピストの経験がものを言うところでもあります。

 

 

中には「うちの子つかまり立ちしてるけど、リハビリで座る練習やハイハイしてるよ。」という方もいるかもしれません。

 

なぜそうなるかというと、理学療法士などの専門家の目で見ると「なんとかつかまり立ちしてるけど、まだまだ座る練習が必要な段階だな。」ということや、「立つのは好きなんだけど、体幹や足を使う練習のためにハイハイしてもらおう。」ということがあるからです。

 

実際にリハビリなどを受けていて今のセラピーに疑問がある方はぜひセラピストに聞いてみてくださいね!

 

 

 

ゴンが臨床で行っていたセラピーをいくつか紹介します。

 

・ハイハイ

つい何行か前にも書きましたが、ハイハイはよくやりました。

 

なぜか?

ハイハイは体幹を多く使える運動だからです。

 

立つ、歩くができるお子さんでも体幹がうまく使えていないためにフラフラしていたり、椅子に座ると背中が丸くなってしまったりします。

 

安定した座位や立位、歩行の獲得を目指し、体幹強化を図ることは多いと思います。

 

 

体幹を鍛える運動としてプランクがあります。

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プランク

ハイハイの姿勢に近いですよね。

 

この状態で手足を動かすのがハイハイなので、体幹が鍛えられると言うわけです。

 

平地で負荷が低い場合にはハイハイで階段を登ってもらったり、クッションなどで作った凸凹のコースの上をハイハイしてもらったりしました。

 

ご自宅でも気軽にできる運動かもしれませんね!

 

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・バルーンエクササイズ

この名前はなんでもいいです(笑)。

 

簡単に言うと、バランスボールに座ってもらってバウンドしたり傾けたりすることです。

 

ボヨンボヨンとバウンドしながら抗重力筋(背筋など)に刺激を与えて働きやすくしたり、実際にセラピストが腹筋を触って刺激したりしながら筋緊張が高まりやすい状態にするのが狙いです。

 

また、前後左右に体が傾くようにして反射を促したりします。

その反射は「立ち直り反応」、「傾斜反応」、「保護伸展反応」などです。

 

これを行うと、その後椅子に座る練習をした時に違いを感じることがあります。

 

親御さんも「今かっこよく座れてますね」とおっしゃるなど、シャンとした姿勢を取れることもあります。

 

 

<関節弛緩性>

関節が緩いと言う意味の関節弛緩性。

 

靭帯などの問題であることが多いですが、靭帯自体を短くしたり硬くしたりするセラピーはほぼないと思います。

冷やすと多少縮むかもしれませんが一時的なものです。

 

なので、装具や筋力で補うのがメインになります。 

 

・扁平足

ダウン症の子の多くに見られる扁平足。

(扁平足については過去記事を参考にされてください!)

 

kosodateptst.hatenablog.com

 

足の裏を使ってトレーニング!ってこともあるかもしれませんが、動きとして難しいしお子さんにとって楽しい活動ではないことが多いので筆者はほぼ行ったことがありません。

 

逆に、扁平足のお子さんのほとんどに行ったのがインソールの作成です。

 

インソールを靴の中に入れて歩くことで歩く時の姿勢が改善し、安定して長く歩けるようになることが多いです。

 

また、姿勢が正されることで、特に足の筋肉の正しい使い方が学べると思います。

 

インソールと合わせてハイカットシューズを履くことを勧めたり、専用の靴を作ることもありました。

 

扁平足が重度だったり、筋力が著しく低い場合などには下肢装具として作ることもあります。

 

装具ってこんなのです↓  

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装具

お名前.com

 

・反張膝

 

立った時、膝が通常曲がる方向とは逆に曲がっていることを反張膝(はんちょうしつ)といいます。

 

扁平足とは違い、筋力でカバーできるようにトレーニングすることが多いです。

 

お子さんが立つ時に膝を後ろからおさえると膝が少し曲がります。

 

いわゆる中腰のような姿勢になるので、太ももの前側の筋肉[大腿四頭筋]を使うようになります。

 

このような経験を積むことで筋肉で体重を支える感覚を養い、普段の生活に汎化していくことを狙うことがあります。

 

 

・環軸椎亜脱臼

環軸椎とは背骨のことで、頭蓋骨に続く頸椎(首の骨)の1番上と2番目のことです。

 

これが亜脱臼、外れやすいということなので、負荷をかけないことが大切です。

 

なので、トレーニングというより動作指導を行うことがほとんどです。

 

特にでんぐり返しのような首に体重がかかる運動はしない方が良いとされています。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

 

ゴンが行ってきたセラピーのなかで多いものを挙げてみました。

 

他にもやることはありますが、今回あげたものは主軸になってくると思います。

 

わからないところやもっと詳しく知りたいことなどあれば、気軽にコメントしてくださいね!

 

ではまた!

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