子育て!PT・STのブログ

発達に悩みがあるお子さん、その親御さんに向けたブログです。医療、保育の専門職としての視点から書いています!

保育実践②

こんにちは!

理学療法士、保育士のゴンです!

 

今回は保育実践として、イヤイヤ期(何かをすることを嫌がる場面)への対応を考えていきます。

 

 

【イヤイヤ期とは】

 

まず一般的にイヤイヤ期とは、なんでもなんでも「いや!」「あっちがいい!」などと嫌がる時期のことを言います。

 

2歳台で起こることが多いですが、1歳台から始まる子、3歳まで続く子も多くいます。

 

言葉が出るのが遅い子(3歳になってから色々話せるようになったなど)は、3,4歳に遅れて出てくることもあるようです。

 

 

なぜイヤイヤ期があるのか?

 

イヤイヤ期は自立への第1歩と言えます。

 

‘’親とは違う考えを持ち、それを認めてもらいたい。”

という気持ちから「イヤイヤ!」となるのではないでしょうか。

 

 

【対応の基本】

 

イヤイヤ期の子どもは、ただ親を困らせたい訳ではありません。

 

自分の考えを認めてもらいたいので、共感的な接し方をする必要があります。

 

「あっちがいいー!これヤダ!」と言われたら、

「ダメ!こっちにしなさい」

ではなく、

「あっちがいいんだね。あっちは明日にとっとくから、今日はこっちにしてみない?」

などにします。

 

このような対応をしたからと言って、「うん、わかった!」とはなりません。

 

ですが、『この人は話を聞いてくれる』、『気持ちを受け止めてくれる』と、子どもに思ってもらう必要があります。

 

話を聞いてくれない相手に対して話したいとは思わないですよね。

 

 

【保育実践】

〈情報〉

・Aちゃん 3歳の女の子

・普通に話せるが、少し滑舌が悪い。

・お話するようになったのは3歳過ぎてから(少し遅め)。

・末っ子で、家ではお兄ちゃんにも可愛がられている。

 

〈エピソード〉

クラスで遊んでいる最中。

保育者はB君に「あの玩具しまってくれる?」とお願いする。

それを聞いたAちゃんは、「私がしたかった!」と言って座り込む。

保育者が「じゃあAちゃんはこのパズルお願い!」と言っても、Aちゃんは「イヤ!」と言って怒っている。

Aちゃんが座り込んでいると他の子が遊べなくなるため、保育者はAちゃんを抱っこして部屋の端に移動する。

 

保育者「あの玩具片付けようと思ったんだよね。Aちゃんは優しいね。」

Aちゃん「ふんっ」

保育者「パズル片付けてくれても助かったんだけどなあ。」

Aちゃん「玩具が良かったの!」

保育者「うん、そうだよね。あの玩具使ってたもんね。じゃあ、次はAちゃんがあの玩具片付けてね!」

Aちゃん「今日が良かったの!」

保育者「そうだね。手伝おうとしてくれてありがとね。」

Aちゃん「んん…」

保育者「Aちゃんっ!ぴっぴっぴっ!」体をツンツンする。

Aちゃん「…キャハハッ」吹き出して笑う。

 

笑った後は気持ちの切り替えができ、いつも通り遊べる。

 

【まとめ】

 

上のエピソード、上手くいったかというと…どうでしょうか?

 

「玩具じゃなくパズル片付けて」と代替案を提示しますが、そこには応じられずに座り込んでしまいました。

 

笑う前までは「んん…」という微妙なリアクションです。

 

ですが、最後に吹き出して笑ってしまったので、イヤイヤモードは終わり普通に遊べるようになりました。

 

今回は、『笑わせれば勝ち』いうパターンでした。

 

・本当に嫌で泣いているパターン

・保育者の注意を引きたくて嘘泣きをしているパターン

の2つがあるので、後者の場合には“クスッ”と笑えば切り替えられることがあります。

 

 

イヤイヤ期のお子さんに対して、すっきり終われることは少ないです。

 

ですが、それでもやるべきこと、やってはならないことがあります。

 

〈やるべきこと〉

・共感的な接し方をする

「ううん」、「違うよ」などの言葉は使わず、「そうだね」、「分かるよ」などの言葉を使う。

 

〈やってはならないこと〉

・脅し、強制

「○○してくれないなら、ご飯あげないからね!」や、「××するんだったら鬼さん呼ぶからね。」など。

 

恐怖心を煽って行動を強制するのは不適切な行動です。

 

保育園などでは不適切保育と言い、そのような保育をしないよう研修に努めています。

 

・他人との比較、責め

「B君はちゃんとやってるのに、Aちゃんは出来ないんだね。」

「あれー?3歳なのに1歳の子みたいなこと言うんだね?」

 

上記のような発言は子どもを傷つけます。

 

また、「僕は認められてないんだ」という意識を植え付けてしまいかねません。

 

他人との比較や責めることはせず、その子そのものを見てあげましょう。

 

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いかがでしたしょうか?

 

イヤイヤ期の対処は本当に難しいと思います。

 

あれもこれもイヤイヤ言われ、まいってしまうことも多いです。

 

その時の1回が上手くいったかどうかはあまり気にせず、『あなたのことを認めているよ』という気持ちを伝え続けることが重要だと思います。

 

保育者側がイライラしないよう、肩の力を抜いて対処出来るといいですね!

 

 

今回はこのへんで!また( ´ ▽ ` )ノ