子育て!PT・STのブログ

発達に悩みがあるお子さん、その親御さんに向けたブログです。医療、保育の専門職としての視点から書いています!

保育実践①

こんにちは!

理学療法士、保育士のゴンです!

 

今回は保育実践【精神的に不安定になった時の対処】をお伝えしていこうと思います。

 

完全なる正解とは言えないかも知れませんが、泣きじゃくる子どもが落ち着いた例をもとにお話します。

 

 

【お子さんの紹介】

 

花子ちゃん(仮名)。

年少(3歳)の女の子。

落ち着きがなく、1人で遊ぶことが多い。

絵本の読み聞かせは好き。

お喋りは普通程度にできる。

やりたくないことはやらない(片付け等)。

 

【経過】

 

朝の受け入れ時、「体調悪かったら、すぐに迎えに来るからね」とママに言われた。

 

この言葉を聞いて『ママはすぐ戻ってくる。今日はママと一緒にいられるんだ。』と思い込んでしまう。

 

受け入れ後、「ママがいい!」、「ママー!」と言って泣きわめく。

 

A室にて、大好きな恐竜のおもちゃで遊んでいると、ママのことを忘れて泣かずに過ごせる。

 

ふと思い出してまた「ママがいいのー!」と泣きわめく。

 

泣く、遊ぶを繰り返す。

 

 

昼食時、「ご飯食べない!ママがいい!帰る!」と言って泣き叫ぶ。「ああー!!」と大声。

 

 

保育士は静かな場所(廊下)に抱っこで連れて行く。

 

「ママがいいんだよね。でも、1回落ち着けるかな?」と諭すが、「ママがいいー!」と泣き叫ぶ。

 

保育士は、「よしよし。そうだよね。でも、ガマンできる花子ちゃんはすごいと思うよ。」と言いながら抱っこのまま背中をさする。

 

花子は「ガマンできないー!」と怒ったように言う。

 

保育士は「うんうん。」とだけ言って背中をさする。

 

抱っこのまま、静かで広い部屋、B室に移動する。

 

廊下からB室に移動する間に少し落ち着く。

 

「お椅子座る?」と座ってもらう。

 

保育士が「給食にチーズあるんだって!取りに行く?」と聞くと「うん。」というので、A室に2人で取りに行く。

 

広い部屋B室に戻ってきてチーズを食べる。

 

保育士が「ご飯も食べる?」と聞くと、「食べる」と言うのでA室に戻る。

 

落ち着いて、いつも通りご飯を食べる。

 

 

 

【分析】

こういう状況になった時、私が気をつけていることがあります。

 

①落ち着ける(静かな)場所に行く。

②子どもの思いに共感する。

③本題から話をそらす。

の3つです。

 

1つずつ解説していきます。

 

 

《落ち着ける(静かな)場所に行く》

精神的に不安定、特に泣いている時には刺激を少なくした方が良いと思います。

 

保育園における刺激とは…

光、おもちゃ、制作物→視覚刺激

音楽、友だちの声、生活音→聴覚刺激

などが主なものです。

 

それらを避けるため、今回は廊下や、誰もいない部屋に移動しました。

 

 

 

《子どもの思いに共感する》

 

「そうだよね」、「うんうん」など、共感的な言葉を中心に声かけしました。

 

『この人は私の気持ちを分かってくれる』と花子ちゃんに感じて欲しかったからです。

 

共感的な対応は平常時の保育にも重要で、保育士は子どもの良き理解者になる必要があります。

 

『私の気持ちを全然分かってくれない!』と子どもが思ったら、保育士の言うことなんて聞いてくれません。

 

 

 

《本題から話をそらす》

 

広い部屋に移動することで、花子ちゃんは『ママ!帰る!』状態から『あ、B室に来たんだあ』と少し気持ちが切り替わり始めました。

 

そこで、保育士が「給食にチーズあるんだって!」と伝えることで、『ママ!帰る!』の一念しかない子どもの気をそらそうと考えました。

 

花子ちゃんはチーズが好きです。

 

好物の話をして、思考を“ママ‘’→‘’ご飯‘’にしようとしました。

 

共感的な対応などをして子どもが少し落ち着いたら、話題を変えないといつまで経っても気持ちを切り替えられません。

 

しかし、子どもがある程度落ち着かないと話をそらすことは通用しません。

 

共感的な態度で落ち着いてもらう→話をそらす

この順序で行う必要があると思います。

 

 

 

以上、帰りたいと泣きわめく子への対応の1例をお伝えしました。

 

子どもの特徴やその時の状況によって、対応は変わると思います。

 

しかし、上記の接し方は基本的なものかと思いますので、参考にされてみて下さい。

 

 

ご意見、ご質問お待ちしています!お願いします!

 

では、また!